AIによる金属アーチファクト低減のクラウドサービスの試験販売を開始

2020年2月中旬より、自社開発した「AIによるCT金属アーチファクト低減技術」をクラウドサービスとして、試験販売を開始します。また、本技術に対する評価結果について、京都大学および奈良県立医科大学、洛和会音羽病院と共同で公開しました。2020年2月26日~28日にかけて開催される「メディカルジャパン 大阪展」にも本技術のデモを出展予定です。

 

概要およびサービス特長
CT撮像領域内の金属等に起因する放射状のアーチファクトは、手術、診断および放射線治療の円滑な計画立案を大きく阻害しています。イーグロース株式会社(本社:京都府京都市中京区)は、深層学習技術の1つであるGAN(敵対的生成ネットワーク)と呼ばれる技術を応用し、3D-CTに対し従来手法と全く異なる金属アーチファクトの低減技術を2019年7月に発表しました。
この度、国内リージョンのGPUクラウドを利用し、造形・教育・研究分野等非医療用途向けに、専用ソフトウェア経由で本技術を利用した低減サービスの試験提供を開始いたします。今後は数回の試験販売および改良を経て、適正価格に設定した上で正式なサービス開始を予定しています。

低減処理クラウドサービス
低減処理クラウドサービス

  • 頭頸部のCTデータに対し、処理対象範囲を数クリックで指定するのみ
  • AIによる低減処理時間は症例あたりの1分程度(※一般的なブロードバンド回線の場合)
  • 一般的なビジネス用途のWindows PC端末で利用可能
  • 処理結果を他のソフトウェアで利用可能(DICOM形式による出力)

試験販売期間:2020年2月中旬~3月末(※2月10日よりオンライン申込受付開始)
募集ユーザ数:10~15施設程度(※ユーザの利用率に応じて適宜調整)
試験販売料金(税別):サービス利用設定手数料:無料 / 基本料:月額15,000円 / 従量料金:150円/断面
※ただし、顧客ごとに150断面(約10症例)までは従量料金を課金しない
低減対象データ: 頭頸部医科用人体CTデータ(※ファントムデータなどは処理不可)
利用方法:イーグロース社製ソフトウェア「Growth RTV」シリーズのオプション機能として提供
GPUクラウド:さくらインターネット株式会社「高火力コンピューティング」(国内リージョン)

その他サービス詳細、お申し込みまたはお問い合わせ
https://www.egrowth.co.jp/rtv_mar

■メディカルジャパン(大阪展)への出展のお知らせ
2020年2月26日~28日にかけて開催される「メディカルジャパン 大阪展」(インテックス大阪)に出展いたします。当社ブースでは、本技術によるデモ、および本技術を開発した3D医用画像AI開発支援ツール「Growth RTV」の展示を行います。

3D医用画像AI開発支援ツール「Growth RTV」
https://www.egrowth.co.jp/rtv_about

メディカルジャパン(大阪展)公式サイト
https://www.medical-jpn.jp/ja-jp.html

■京都大学等との共同研究成果を公開

本低減技術について、処理結果精度に対する客観評価、および専門医による主観評価の研究結果のプレプリントを、京都大学および奈良県立医科大学、洛和会音羽病院と共同で公開しています。
複数専門医による主観評価およびシミュレーション画像による客観評価において、本技術の複雑なアーチファクトに対する低減性能の高さを証明しています。
M. Nakao, K. Imanishi, N. Ueda, Y. Imai, T. Kirita, T. Matsuda, Three-dimensional Generative Adversarial Nets for Unsupervised Metal Artifact Reduction, arXiv, 2019.
https://arxiv.org/abs/1911.08105